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ドアマナー
犬の生活にはさまざまな種類のご褒美があります。トレーニングではしばしば食べ物や飼い主との遊びやおもちゃなどを用います。他にも多くのご褒美があります。「生活の中のご褒美」と呼ぶ人もいますが、私は「環境の中のご褒美」と位置づけています。
ちょっと頭を使うことで、犬の見せる嫌な行動を、良い事をした時のご褒美に使えるのです。
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門や扉から出る時に、よく環境のキューを用います。この周りは問題の起きやすい場所です。誰かがやってくる、または誰かがでかけるということから、犬の興奮レベルの上がりやすい場所なのです。犬自身が出かけるのであれば尚更です!跳びまわり、そこから飛び出そうとします。つまりマナーがメチャメチャになるのです。これは安全性を考えると非常に危険なことです。リードをつけないで飛び出したら、犬が危険にさらされます。リードをつけていても階段があったり冬で路面が凍っていると、引っ張られた飼い主も危険です。
扉に近づいたら自然に座るように教えましょう。飼い主が何も言わなくてもですよ。口頭によるキューは必要ありません。犬にとってのキューは飼い主の手がドアノブに触れることです。
<こうして教えます>
部屋の中の扉をひとつ選びます。もしフェンスで囲われた庭に通じる扉を使うならリードは必要ありません。そうでない場合は、リードをつけておく事が安全上非常に大切です。
飼い主はドアノブに手をかけます。そして犬が座るまで待ちましょう。最初は少し時間がかかるかもしれません。犬が外に出かけるんだと思い込んで興奮している場合は特にです。じっと待ってください。ほどなくあきらめて座るでしょう。それが飼い主が行動をおこすためのシグナルです。犬が座ったらすぐに少し扉を開けます。犬がダッシュして飛び出せないくらいの隙間、ほんの少しです。
もし再び跳ねまわるようなら(おそらくそうするでしょう、というもの犬の頭の中ではお出かけと結びついているからです)扉を閉めてしまいます。そしてドアノブにかけていた手も下ろしてしまいます。少し時間をあけてもう一度行ないます。ドアノブに手をかけて、犬が座るのを待ちます。
もし座ったら、扉を開けます。飼い主が解除のキューを出すか、その他例えば「ヒール」などのキューを出すまで、犬を外に出させてはいけません。解除のキューを使うと、飼い主より先に外に飛び出す可能性が高いので、「ヒール」で脇につけるのが適切で安全かもしれませんね。特にすぐに階段があるような場合には。
これを一日数回、飼い主が本当に出かける時もそうでない時も繰り返します。ランダムなご褒美ですね。飼い主の手がドアノブにかかるのを見るとすぐに座るようになります。 環境のキューを用いる良い点は、飼い主がそこにいなくても、誰かが扉に手をかければ、扉からダッシュするより座るようになることです。
犬の視点からすると、人間に扉を開けさせるようにトレーニングしたと思うでしょう。犬が人間に出すコマンドが「ドアの前でオスワリする」なのです。実際には、扉を開ける前にお行儀良く座るという行動を飼い主が犬に教えたのです。このようにお互いがハッピーになれますね!
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