Pet Dog Training TIPS Vol.2
<2004>No.5
ジェントリング

 10月レガシーのトレーニングセンターのグランドオープニングにあわせ、数人のゲストスピーカーを招待しました。そんな中のひとりが、カリフォルニアで動物病院を開業するローラン・トリップ博士でした。テレビでアニマルプラネットを見ることができるなら、ローラン博士の姿を目にしたことがあるかもしれませんね。彼は16週齢以下の子犬のため、3つのパートからなるパピーを扱うためのプログラムを作りました。ジェントリングと呼ばれるものです。これは子犬をその後生涯に渡って安定した適応能力の高い犬にする助けとなります。私もオリジナルのものを少し変えて、自分のパピークラスに取り入れています。トリップ博士はこのプログラムを勧める大切な5つの理由を以下のように説明しています。

なぜこのプログラムが大切なのか

1) 人間が子犬より大きくて強くても、優しい存在であり脅威ではないという意識を持たせる
2) 一旦飼い主がリーダーとして信頼されれば、子犬は飼い主を頼り、後を追ってくるようになり、言うことにも従う
3) 優しくリーダーシップを発揮することで、後に不適切な攻撃的行動を見せる確率が極端に少なくなる
4) ジェントリングを行う際は、子犬が人間を信頼できるよう、子犬にとって悪いことが一切起きないよう心がける
5) 犬が身体中触れられることに慣らしておくと、その後かかる獣医師やトリマーにたいへん喜ばれるでしょう

3つのジェントリング・エクササイズ


パート1:16週齢以下の子犬のマッサージ
 マッサージする時は、皮膚をよく動かします。手を円を描きながら動かし、優しく身体に触れましょう。数センチきざみにこのマッサージを行います。こうして犬は、耳・足・お腹・尻尾などを人に触られることに慣れていきます。もっともよくある間違いは背中だけをマッサージすることです。

パート2:16週齢以下の子犬の身体の動き
 子犬がもがくことなくマッサージできるようになったら、子犬の首や足を犬が不快に感じない程度に動かし始めましょう。人間の手で触ることで、子犬に人間は信頼できる存在で危害を加えるものではないということを教えます。このエクササイズを行う時、子犬に不快な思いをさせないようにします。足を持って動かそうとすると、子犬は始め足を引っ込めようとするでしょう。その時に犬の動きに逆らうことなくついていってください。すぐに人に身を任せるようになります。

パート3:16週齢以下の子犬を抱きかかえる
 子犬が家に来た日から始め、その後数週間毎日行ってください。子犬を抱き上げ、胸に抱えます。頭が上でお尻は下です。そこからゆっくりと子犬の身体を、お腹が上を向くように横にします。少しずつ先へ進めます。もがき出す前にやめましょう。

 人間の幼児期の教育専門家が、生まれてから数年間に適切な経験をすることは非常に大切であると証明しています。学校に通う前に良い経験をすることは、高校や大学で得る経験よりも、その後のその子の社会的および精神的な発達に大きな影響力を与えます。これは犬にもあてはまるという研究が現在行われているところです。


Return GO TOP
(c)copyright 2003 LEGACY JAPAN, All rights reserved.
〜文章および画像の無断転載・複製を禁じます〜