愛犬家への警告です!<胃捻転・鼓腸症>
犬が暑がって疲れた様子をみせている場合、深刻な病気の可能性があります。犬はどこがおかしいのか自分では言えません。後悔するより万が一を考え、すぐに動物病院に連れて行くのが良いでしょう。これは大きな犬によく見られる胃拡張捻転症候群(GDV)と呼ばれる、深刻な命にかかわる状態です。暑い日に多くの水を飲み過ぎることで起きることが多いようです。緊急を要する病気です。すぐに動物病院に連れていかなければなりません。
大きな胸の深い犬に多く、たいてい1日1回の食事を与えられています。この病気がよく起こる犬種は、秋田犬、グレートデーン、ジャーマンシェパード、セントバーナード、アイリッシュウルフハウンド、アイリッシュセッター、サイトハウンド系、ドーベルマンピンシャー、ワイマラナー、ブラッドハウンド、その他似た犬種そして大きな胸の深いミックス犬にもみられます。
食事回数と体の作りが前述のようで、食べ物をうのみにする、空気をたくさん飲み込む、食後すぐに大量の水を飲む、そして、満腹のまま激しい運動をすると、胃拡張捻転症候群になる要素が揃うわけです。
腹部の膨らみ、よだれをたらす、吐き戻し、落ち着きがなくなる、元気がなくなる、だるそうにしている、食べ物を食べない、弱る、鼓動が速まるなどの徴候がみられます。様子をみるのではありません。こういった状態には素速く対処する必要があります。すぐに獣医師に電話を入れましょう。
<胃拡張捻転症候群の生理学>
腹部膨満が起きた後に胃がねじれることを捻転と表現します。縦軸の捻転か腸管膜の捻転かにより、ねじれを定義するのに使われる用語が異なります。ほとんどの人が両方を区別なく使っていますし、ねじれのタイプで徴候や治療に違いがあるわけではありません。捻転が起きると、食道部分が閉じてしまうため、吐くことで膨満を解消できなくなります。脾臓にも影響がでて血流が遮られます。生理学の複雑な連鎖がここで始まります。心臓に戻る血液の量が減り、心拍出量が減り、不整脈が起こります。壊死の始まった胃の粘膜に毒素がたまります。肝臓、膵臓と小腸上部機能も弱まります。低血圧からショック症状に陥り、エンドトキシンが急速に増加します。胃が破裂して腹膜炎を起こすこともあります。
■治 療
胃拡張捻転症候群は本当に緊急を要する状態です。胃拡張捻転症候群だとわかったり、疑いがある時点でも、すぐに獣医師に電話をかけて救急処置を頼みましょう。家庭で治療しようと思わないように。事前に電話をかけましょう。犬を連れて行くあいだ、病院のスタッフはあなたの到着準備ができます。
■予 防
はっきりしているのは胃拡張捻転症候群は、治療より予防するにこしたことはありません。この病気を起こしやすい犬種は、1日の食事回数を2,3回にし、早食いをさせないようにしましょう。多くの飼い主がドライフードを水に浸して食べさせると安全だと思っています。食後2時間は、レトリーブや走るなどの激しいエクササイズは避けます。
※Kathleen R. Hutton, DVMからの情報を要約 |
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