Pet Dog Training TIPS Vol.2
<2004>No.15
猫や小動物を追いかける

 猫やリスを追いかける犬を、意地悪、攻撃的、支配的、悪い子などとやたらに決めつけるのはやめましょう。それは獲物を追いかけるという固定行動パターンの可能性が高いのです。すべての犬はある程度獲物を追うという行動をするものです。これを本能や衝動と呼ぶ人もいます。多くの犬種で、この衝動が選択的に残されています。ハーディング、ハンティング、齧歯類の動物を捕らえるなどの犬のお仕事には、追うという行動が要求されます。私たちの犬の祖先が人間の夕食を捕まえる能力を持っていなければ、犬は今日私たちと一緒に暮らしていなかったかもしれません。私は犬が獲物を捕まえるのは、人間が魚釣りに行くようなものだと思っています。犬は魚に怒りを感じているわけではなく、食べることに興味があるのです。食べ物は主要な強化因子なので、食べ物を食べるまでの段階も強化因子となるのです。想像力を豊かにし、これを魚釣りというスポーツと考えましょう。ネコにひも付きおもちゃを追いかけさせようと、そのヒモを引っ張りますが、これにより私たちも楽しい気持ちになります。私たちはネコの持つこの自然で根強く残った本能を受け入れているのですから、犬の追いかけるという行動も自然のものだと考えるべきです。これは考えることなく起きてしまう生き残り本能によるものなのです。しかしこの行動もトレーニングで変えることができます。追いかけるという行動に対し、どのくらいトレーニングが影響を与えるかは、個々の持つ追いかけ行動の程度と飼い主のスキル、熱意、生活環境によります。すべての場合において、追いかけ行動をみせる犬には、生活する上で2つのことが言えます。

 ひとつ。あなたの望む行動、たとえば呼んだら戻ってくるなどの行動をしたら、追いかけること(テニスボールを持ってくる、フリスビーを追う)をご褒美に使えます。さらにもうひとつ。追いかけの引き金になるような状況を避けること(リスの多い公園に行かない、ネコを飼っているお姑さんの家には犬を連れて行かない)。

 若いうちに始めましょう!それ自体がご褒美となる行動は、頻度・強度・時間すべてまたはその一部において、増えていく傾向があります。動物を追いかけることで楽しい思いをたくさん経験してしまった犬を再トレーニングするのは、年齢の低いころにトレーニングするより難しいものです。

◎追いかけ行動が始まったらすぐ介入すること。
 犬をよく見ていましょう。管理の補助となるリードにまさるものはありません。散歩に出かけた時は、犬が追いかけそうなネコ、リス、その他の生き物がいないかよく気をつけておきます。犬の注目をあなたに向けてます。あなたの方を向いてよかったと犬が思うように、一緒に遊んであげたり、小さなトリーツをいくつかあげましょう。反対側に歩き出し、たくさん声をかけたりご褒美をあげたりしながら、犬の注意をひきつけておきます。犬の気持ちが追いかけるということに完全に向いてしまうまで待っていると、こちらに注目させることは困難になります。また、すでにオフリードだった犬が追いかけ始めてしまうとさらに難しいです。あなたから遠ざかるほど、追いかけ行動に夢中になります。リスに近づき、あなたから遠ざかるほど、こちらにうまく注目させられる確率が減るのです。

◎家にネコを迎える
 家族にネコが加わる場合、ほんの少し計画を立てておくことで、犬をネコに慣らすことができます。ネコと犬を会わせる場合の3つの役立つ方法を、このニュースレターで近々ご紹介します。


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