Pet Dog Training TIPS Vol.2
<2004>No.18
家族に猫が加わる
 ほんの少し事前の準備をすることで、愛犬を新しく迎え入れる猫に慣らすことができます。いくつかそのアイデアをご紹介しましょう。

●若いうちに始めましょう!
 それ自体が報酬につながるような行動は、頻度も強さも時間も高まりやすいものです。ペットを増やす予定があるなら、事前に計画をたてておきましょう。すでに猫や小動物を追いかけて楽しい思いをたくさん経験した犬をトレーニングしなおすのは、その犬が若いうちにそういった行動がでることを予防するよりもずっと難しくなります。離しておきましょう。

●反応しない猫で始めます
 可能であれば、友達の家にいる猫にあわせてみます。大切な点:犬に無関心で走らない猫を選んでください。猫がその場でじっとしていれば気にしない犬がほとんどです。注意深くみていて、犬が荒っぽくなってきたら介入してください。

●中立の場所で会わせる
 新しく家族の一員となる動物には、愛犬が初めて訪れる場所で会わせましょう。そうすると、他に考える事がたくさんあるため、猫にばかり関心が集まりにくいです。場所にかかわらず、犬が一日のうちで一番まったりとしている時間を選び、猫はシースルータイプのキャリアにいれておきます。キャリアの下には犬のベッドやタオルを敷いておきます。犬のリードは短く持ち、犬も猫も安心していられるくらいの距離を保ちます。飼い主は猫のにおいのついたベッドやタオルを持ちます。犬にそのにおいをかがせてあげます。犬も猫も完全に無視してください。本でも読みましょう。何もいわず、何もせず。犬の追いかけ行動の引き金となる走るという行動を、猫はとれません。猫の走るという行動の引き金になる追いかけるという行動を、犬はとれません。お互いに無視しはじめたら、近づいてもいいですが、先を急ぎすぎないようにしてください。子犬が静かに興味深く調べているなど、好ましい行動に対してはすべて褒め言葉をかけたり、食べ物を与えましょう。目標は、お互いがお互いの存在があってもリラックスしていられることです。不適切な行動がでそうな気配をよく見ていて、行動が出てしまう前に対処しましょう。

●追いかけ行動が出る前に防ぐ
 犬をよく見ていてください。子犬と猫の反応具合は低く押さえ、快適度合いを高く保ちます。じっと見つめあうというような小さなことさえ、あっというまに完全なアウトオブコントロールな状況にエスカレートしかねません。リードは管理の何よりの補助です。子犬に猫は「家具の一部だ」程度に思わせたいのです。犬が興奮してしまったら、注意をそらせるのが難しくなります。犬はあなたから遠ざかるほど猫を追いかけることに夢中になり、猫に近づくほどあなたが犬の集中をとるのが難しくなります。

●猫にとっての安全な逃げ場
 猫の身体的能力にもよりますが、食べる場所、トイレ、寝る場所など、犬が入れない安全な場所を確保することも考えてください。猫の「部屋」を作るのもよいでしょう。猫は自由に出入りできるけれど、犬は入れないというようなドアを作ります。犬の届かない棚の高いところやその他の家具もよいですね。

●始まった時に追いかけ行動に介入する
 追いかけ行動をさせたままにしないでください。これはそれ自体がご褒美になる行動です。犬の注意をあなたに向けましょう。あなたのほうを向いたら、向いてよかったと思えるように、一緒に遊んだり食べ物を与えます。反対側へ歩き出し、遊びやご褒美を使って犬の集中を取り続けましょう。

●犬のご褒美になっているのは、追いかけることではなく、飼い主からの注目
 家族に追いかけてほしいために、家族の猫を追いかけるという犬をたくさん知っています!これを覚えておいて、家族が犬を追いかけることで、犬が喜ぶという状況を作らないように気をつけてください。

●犬にロングリードをつける
 犬も猫もお互いに自由にしている時間が増えるくらいの関係になったら、犬にロングリードをつけましょう。万が一犬が猫を追いかけ始め介入したい時に、飼い主が簡単に足で踏むことができるくらいの長さです。犬が99.9%追いかけないという確信がもてるまで、犬にはこのリードをつけておきます。犬の行動に100%というのはありえないことを覚えておいてください。犬が追いかけようかと考え始めていると思ったら、「あー」と声をかけ、リードを踏む準備をします。犬には、追いかけることに対して警告音を出したと理解させたいのです。犬はスピードを出せる状況にはありません。犬にムチ与えようとしているわけでもありませんから、追いかけようかなという気持ちが犬の心の中に生じた時に介入するだけです。もしリードを使わなければならないようであれば、脱感作の過程で1ステップか2ステップ戻ってみてください。おそらく早くに自由にしすぎたのだと思います。

●リーダーシップは不可欠
LEADプログラムを見直してみましょう。犬にあなたの望んでいることをさせる助けになります。

●猫から誘いかけることもあります
  自分から犬に近寄って、尻尾を高く上げ、8の字を描くように犬の周りを歩き、目の端で犬をじっとみつめるという猫もいます。犬が自分に注目していると気づくと、突然ダッシュで逃げるのです!猫が追いかけられるのを楽しんでいるわけです。この場合どちらを止めるべきでしょう?飛距離の長い水鉄砲のようなものが、この「犬を困らせてやろう」ゲームを終わらせるには有効です。

●犬は般化がへた
 家の中では猫とうまくやっていけても、その同じ猫が裏庭にいると追いかけるかもしれません。同居の猫とは仲良く暮らせるようになっても、そのほかの猫をすべてゲームの対象ととらえる場合もあります。自分の犬が他の猫にどう対処しているか常に見ていましょう・・・監視・監視・監視です。家にいて見ていられない場合は、犬と猫は離しておきましょう。


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