Pet Dog Training TIPS Vol.2
<2004>No.19
リードがついている時の反応
 リードがついていると他の犬や人に反応してしまうけれど、リードがついていないと礼儀正しくできるという犬がいます。 もしリードにつながっているというのが、その行動の条件になっているなら、そういった行動を出すように、飼い主が無意識のシグナルを犬に送っている可能性があります。

 ある時点、たいていは犬が若いうちですが、他犬や他人に唸るなど相手を驚かすような行動に出るときがあります。飼い主は驚き、この出来事を心配するので、きっと次にお散歩に出かけて人や犬に会った時に、息を止めリードをピンと張った対応をするでしょう。犬はこの変化に気づき、近づいてくる人や犬に対して不安をいだくようになります。そういうつもりでなくとも、飼い主自身が状況を悪化させていて、犬は単にその飼い主からのシグナルに反応しているのです。

 犬の基本的なエクササイズを見直してみましょう。すべての良い行動にご褒美を出すため定期的なトレーニングを行います。お散歩中に近づいてくる犬や人への最初のサインに注意をはらいます。静かにリラックスしている時の犬のボディランゲージと、反応しだす時のそれにどういう変化が起きるのかをよく観察します。耳、頭や首の高さ、目の表情、口やヒゲ、尻尾の高さや姿勢全体に起こる変化を見るのです。問題が起きる最初のサインが出た時に介入すると、すでに行動を始めてしまった犬の対処をするより、ずっとうまくいきます。犬の気をそらせます。楽しく明るい声で犬が知っているキューを出し、集中をとりトレーニングモードにさそいます。犬の脳の認知部分が働いている間は、脳の本能的な反応部分は使われにくいのです。可能であれば方向を変えて、その状況から抜け出すようにしてみてください。犬はあなたに注目し軽快に歩きながら、向かってくる人や犬に集中し続けてはいられません。

 犬の心の状態は、そのボディランゲージに現れます。犬の姿勢を変えることで、気持ちを変えることも可能です。犬におすわりをさせます。座ることは中立的で攻撃的な姿勢ではありません。自分の呼吸と姿勢にも注意してください。人間が呼吸を止めていると、犬はこれを不安のシグナルととらえ、同じように反応します。

 落ち着いていることを褒めましょう。犬の落ち着きを示すボディランゲージをよく見ていて、その状態を褒めます。例えば、やってくる犬や人を見ても、自分から目をそらしたり、あなたを見たら、よく褒めるのです。おやつやおもちゃを与えるのも良いでしょう。

 この脱感作を行うあいだは、やってくる人や犬から距離をとりましょう。カーブを描くように離れて歩きましょう。距離があると、犬の反応は出にくいです。カーブを描いて歩くとき、自分の犬と対象としている犬や人との間にあなたが入るように歩きます。集中してしまう対象との間に分けて入る形です。

 道を歩いていて誰かが近づいてくるのに気づいたら、顔の筋肉をゆるめ、あくびをし、目をそらし、違う方向により興味深いものを見つけ、鼻歌を歌いましょう。犬のコントロールはとりますが、安全のためどうしても必要にならない限りはリードを張らないようにします。


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