Pet Dog Training TIPS Vol.2
<2004>No.21
耳が聞こえない犬のケア
 人間と同じように聴力障害に苦しむ犬も多くいます。忍耐と根気を要しますが、耳の聞こえない犬のケアとトレーニングは、まさにやりがいがあって楽しいものです。新しく子犬や犬を迎えたらすぐに獣医師に診てもらうことは大切です。犬の聴力も調べてもらい、その後は毎年の検診で調べてもらいましょう。

聴力障害のタイプ

 聴力障害には先天的なものと後天的なもの、2つのタイプがあります。先天的なものでは欠陥遺伝子により耳の奇形や難聴になります。さまざまな程度の先天的難聴を持つ犬種は64種以上報告されています。ミックス犬種も先天的難聴をもっている場合があります。犬の先天的な難聴は生涯かかえていくものです。

 後天的なものには、過度の耳垢、汚れ、毛、その他のものが耳道につまることによっても起こります。耳道、中耳、内耳の炎症、腫れ、感染症が原因になりえます。他にも鼓膜の破れや破裂、音のトラウマ、頭部の外傷、耳ダニ、ある種の薬、もっとも多く見られる加齢によるものなどがあげられます。

注意すべきサイン

 犬が聴力を失っていることや耳に問題がある場合、怠慢、トレーニングに対する態度の変化、よく聞きなれたはずの音を出した時に混乱している様子、過度な吠え、音に反応しなくなる、起こすのが難しくなる、頭を振る、問題のある耳側に頭を傾ける、耳をかゆがったり痛がったりする、性格の変化、耳だれなどがみられます。

聴力障害のテスト

 もし耳が聞こえない、聴力が衰えているかもしれないという様子がみられたら、自分で簡単にできるテストがあるのでご紹介します。

 ―犬が見ていない時に、後ろから近づいて手を叩き、その反応をみます。これは犬があなたの行動やにおいに気づかないように、そして振動を感じないように、距離をとって行います。もし聴力に衰えがあるようなら、獣医師の検診を受けてください。治療が可能なものもあります。よりはっきりとした診断のくだせる神経科専門の獣医師を紹介されるかもしれません。BAER(聴性脳幹反応)といわれるコンピュータを使った聴覚を調べる検査があります。頭皮の下に埋め込んだコンピュータにつながっている電極を用いて脳幹の反応を測定します。

聴力障害を持つ犬の安全を確保する

 耳が聞こえない、もしくは難聴の犬を安全に過ごさせるには多くの方法があります。報酬に基づくトレーニングをするトレーナーは、そういった犬達と耳を使ったものに代わるコミュニケーション方法をやトレーニングする方法を知っているでしょう。ハンド・シグナル、さまざまなタッチ、振動する首輪、懐中電灯などがそのいくつかとしてあげられます。屋外では、リードをつけるか囲いのある場所にいさせるようにしましょう。子供には、耳の聞こえない犬への適切な接し方を教えます。

※プロ21では耳の聞こえない犬のトレーニングに役立つ情報を掲載しています。


<参考図書>
"How to Communcate With Your Deaf Dog"
Susan Cope Backer
ISBN 0 9660058 0 5

"Hear, Hear" - A Guide to Training a Deaf Puppy
Barry Eaton
ISBN 0 9533039 0 X

The Deaf Dog Education Fund
PO Box 369 Boonville, CA 95415
www.deafdog.org



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