犬が吠えるのは自然なことです。
鳥がさえずり、牛がモーとなくように、犬は吠えるのです。
吠えすぎ、大声で吠える、吠えてほしくない時に吠える。こうなると、犬にとっても近 所に住んでいる人達にとっても問題になるわけです。
「犬がどうして吠えているか」これを特定するのが、問題解決の最初のステップになります。
■注目してほしい
注目してほしいと不満を感じている犬は高い声で吠えます。犬はいったん吠えるのをやめ、誰かが自分を見てくれているか確認して、また吠え始めます。吠えやんでいる間、尻尾を振ったり、くるくる回ったり、伸びをしたり、もしかしたらかわらしい表情をしてみせるかもしれません。
■することがない
退屈している犬の吠え声は単調で、音の高低がなくハウリングが混ざることがあります。注目を得ようとしている場合と違うのは、特に対象がなく吠えている。犬のエネルギーは圧力釜のようなものと思ってください。じっとしていることで、弁が開かれるまで圧力がふつふつと溜まっているのです。たまったエネルギーを吠える、穴を掘る、物を噛むなどという行動で発散します。
■大興奮!
高いエネルギーレベル、あふれる意欲、自制心がきかない、トレーニング不足などが原因です。こういったタイプの吠える犬は、小さな刺激にも反応します。特に動きを伴うものです。高い声で、継続的に吠えます。吠えながらたくさん動き回り、動作は機敏で、尻尾を振っており、息づかいも荒くなっています。
■分離不安
一人の人と絆が強すぎる犬は、その人と離れることによって苦痛を味わいます。通常高い声でパニックを起こしたように吠えます。また同時にうろうろ歩きながら、よだれをたらし、キュンキュン鳴き、引っかき、物を噛み、ハウリングなどもみられます。不安状態が最悪の状況で現れるのは、たいてい出かけた直後です。
あっちへ行け!
犬がボス:勇敢で攻撃的な犬の吠え声は低く、吠える前に唸ります。びっくりするほどの激しさで吠えますが、時間は短く、怪しいと思っているもしくは脅かされている対象へ、ショックを与えるための吠えです。
怖がっている犬:ストレスがかかっていたり、防御のためのものは、恐怖の対象が遠ざかってくれることを望みながらの、鋭い高い声の警告吠えになります。犬は前に進むかもしれませんが、怖いものと自分との「安全な」距離を保つためすぐに後ろにさがります。 |
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今回書いていることは囲み内の犬には当てはまりません。怖がりの犬、ストレスのかかった犬や、怒りっぽい攻撃的な犬に関してはプロのアドバイスを受けてください。
罰で行動が永遠に直ることはほとんどありません。なぜかというと、代わりに犬に何をすればよいのかを教えられないからです。大切なのは罰で吠えの原因が取り去られないということです。吠えはときに表面に現れる隠れた問題のサインだったりするのです。よく注意していてください。犬の吠えを管理するためのいくつかのアイデアをご紹介しましょう。
環境を豊かにする(アイデア)
犬に趣味を与えましょう。犬は社会的な動物なので、これは特に鍵っ子(ひとりぼっちでお留守番)に大切です。食事を得るために努力が必要な環境を作りましょう。フードが隠せるおもちゃを使います。ペットショップに行くと何種類かありますので、探してみてください。これまでフードボウルからほんの数秒で食べ終わっていたフードが、長い時間をかけての「狩り−集める」という行動になるのです。
脱感作(例)
「サイレンが怖いんだね。かわいそうに。今日はサイレンの入ったCDをかけてみよう。ほとんど聞こえに位の小さな音からはじめるよ。明日はほんの少し音を大きくしてみるけど、怖くならないくらいのレベルであげていくからね。どういうことかというと、このサイレンの音を次第に大きくしていって、実際のサイレンがなっても何も感じなくなるようにするのです」
「私が散歩に連れて行こうとリードを持つと、暴れまわって吠えるのをやめてくれるといいんだけど。最初はまずリードをみるだけ、次にリードに手を伸ばす。おまえが静かにしていられたら、これを一日何度も繰り返すよ。時には、そのままもとあったところに戻してしまうかもしれないし、時にはカラーにつけるだけで、またもとに戻してしまうかも。そして時にはお散歩にそのままでかけるんだ」
報酬を取り去る(例)
「おまえが横でよだれを流しながらご飯を欲しがっていると、食事が楽しめないんだよ。ハロルドに、テーブルからものをあげるのをやめさせ、おまえを見ることもやめさせ、押し戻すことやあっちへ行けと声をかけるのもやめさせよう。ハロルドがおまえに注意を向けるをやめて、無視すれば、だんだんとあきらめて、キュンキュン鳴いたり吠えたりしなくなるよ」
「おまえが裏庭で吠えている時に、ドアを開けて“静かにしろ!”と怒鳴ると喜んでいるだろう!寂しいときにどうしたら飼い主から注目を集められるかわかったんだな!」
順応させる(例)
◆見る:「おまえは帽子をかぶった人をみると吠えるね。それならおまえが周りにいる時、家族全員が帽子をかぶって慣らしてあげよう」
◆音:「今週はペットホテルに預けなければいけないんだ。だからホテルで耳にするような音を家のCDでかけておくようにするよ。そうすれば、そこでどんな音がするのかということだけにでも慣れるからね」
◆匂い:「ほら、これはおまえのブランケットだよ。何日かペットホテルに置いておいてもらったから匂いがするだろう。今週これに寝ていれば、来週ホテルに泊まった時に少しでも家の匂いがするから安心だね。ホテルのマネージャーに家から慣れたものをいくつか持っていってもいいか聞いておくよ」
両立しない行動(例)
「ジョイスとティッピーが向こう側から歩いてきたね。オスワリしなさい。オスワリをして私を見ていれば、ティッピーには吠えられないよね」
「私が家に帰ってきたときに嬉しくて吠える代わりに、ボールをもっておいで。ボールを投げっこして遊ぼう」
関連付けを変える(例)
「ここ続けて3回車に乗ってよくないことがあったらからね。1回めは気持ち悪くなったでしょう。2回目はトリミングサロンへ行ったでしょう。3回目はクラクションがビービーなったし。だから今月は公園へ行くための1ブロックずつ乗っていこう。そこでは車から出て遊べるからね。車に乗っている間には、おやつをあげるし、イージーリスニングをかけておこうね」
「ドアのチャイムに吠える代わりに、ピーナッツバターをスプーンにのせてオスワリマッテをさせてあげる」
◆注意:“よいもの”は“悪いもの”を上回るだけの強力なものでなければなりません。そうでないと逆効果になってしまいます。上の例で言えば、訪問してくる人が怖いと
、ピーナツバターまで嫌いになってしまうということです。
きっかけを取り除く(例)
「こんにちは、ジョーンズさん。ピーターがうちの犬のところへ遊びに来てしまうの。うちに来て連れて帰ってもらえますか?。
「私が仕事に出ていると、うちの犬が一日中吠えていると近所の人から言われました。エネルギーが有り余ってるんだね。仕事に行く前、出かけている間、帰ってきた後、何か遊ぶことを考えよう」
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