行動の抑制はできるが、意志まではできない |
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例えば唸ったことで罰を与えられた犬は唸る事をやめるかもしれません。しかし唸れなくなった事で、次は何の警告もなしに噛むという行動を取るかもしれないのです。 |
間違った結果につながるかもしれない |
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もし犬が家族の猫を追いかけて飼い主がその犬に罰を与えたとします。犬は猫を追いかける事が悪い事だと考えるでしょうか?猫を捕まえるためもっと早く走れ、と飼い主が怒ったのだと思うかもしれません。 |
一貫性がなければならない |
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嫌悪刺激は初回から、そしてその後その行動を起こすたびに与えなければなりません。もし飼い主が時折見逃してしまうと、犬は成功する可能性がある事を学習し、繰り返し試してみるようになります。 |
うまく応用させられない |
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例えばダイニング・テーブルの脚を噛んで犬が罰を受けたとします。しかし「イスの脚なら大丈夫」とか「リビング・ルームのテーブルなら大丈夫」と考えてしまうかもしれません。 |
犬の思考を遮断してしまうかもしれない |
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学習性無力感といわれますが、自分のすることはすべて間違っていると考えるようになると、何の行動も起こさなくなります。こうなると学習意欲は薄れ、罰に耐えるだけとなります。 |
代替行動につながる |
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無駄吠え、穴掘り、物を噛むなど多くの問題行動は反復性行動です。こういった行動は犬の体内で鎮静効果のある化学物質を出すため、その行動を繰り返す事自体がご褒美となってしまいます。赤ん坊を揺り動かすと落ち着くのと同様の作用です。そのひとつを止めさせても、犬は単純に代替行動を始める可能性があります。 |
完璧なタイミングが必要 |
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罰が有効なのは行動を起こしてから2秒以内です。二度以上の罰が必要なら適正な効果が得られていないということです。またそれ以上繰り返すことは虐待となります。 |
強烈でなければならない |
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一度の罰で行動が止まらないと、通常飼い主は次から罰をエスカレートさせます。犬のほうも刺激に慣れてくるので、当初使われた適切なレベルより次第に強くなってしまうものです。 |
ご褒美になってしまう |
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飼い主が間違った選択をすると、犬にとってはそれがご褒美となってしまいます。例えば「悪い子。いけない」と言ったとします。犬は注意を向けられただけで喜びますので、話しかけた、犬を見た、少し近くに寄った、身体に触れたとなれば尚更です。 |
飼い主の存在と結びつけられる |
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もし犬が罰と飼い主を関連づけしていたら、飼い主不在の時には効き目がありません。 |
人間の満足のため使われるべきでない |
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罰の目的は、素速くそして永久に望ましくない行動を変えることにあります。実際にそれができていますか?それとも単純に人間のフラストレーションを犬にぶつけているだけではないですか?。
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