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VOL.20
2003 |
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ニワトリから学ぶクライテリア(基準)と
タイミング
私は1980年代からニワトリのトレーニングをしています。ニワトリから、犬のトレーニングに関することを多く学びました。ワシントン州で長年に渡りレガシーではニワトリと犬のトレーニングキャンプを開いてきました。ボブとマリアン・ブリーランド−ベイリー、モーガン・スペクターそして私が一緒になって、ニワトリのトレーニングを犬のトレーニング手順にうまく解釈しようと努力してきました。他の法則同様、トレーニングの法則もすじが通っていて予測のつくものです。例えば重力の法則。リンゴが木から落ちるとき、どの方向に落ちていきますか?下に向かってですよね!上ではないし、横でもありません。この重力の法則が、我々に結果を予測するよう条件づけているのです。トレーニングの法則というのもあって、これはニワトリにも、犬にも、子供にも、お姑さんにもあてはまります。
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適切なクライテリアを設定する:大きいより小さい方が良い |
熱心なトレーナーのよくおかす間違いというのは、あまりに短時間に多くを要求してしまうことです。要求されていることが難しすぎると、強化の率が下がってしまいます。効果の法則を覚えていますか?「行動の後に良いことが起きると、その行動は回数、期間、頻度が増す」と言われています。詳しいことはインターネットで検索してみてください。「効果の法則」、B.F.スキナーまたはE.ソーンダイクで出てくるはずです。犬をトレーニングしている間生徒がそれぞれの犬に適当な回数の強化を与えていることを確実にしてください。そうでないと、犬は集中しないかもしれません。モティベーション(動機)が下がってしまうのです。飼い主は「トレーニングに興味がなくなった」、「他に気をとられている」、「退屈している」などと言うでしょう。おそらく実際は、強化の率が低すぎることによるのです。犬の集中をとり続けながら強化の率を高めておくためのクライテリアの設定について、私がニワトリから学んだ事をお話ししましょう。
1. |
行動をもっとも細かいもの(ピース)に分ける。分けられるものは、一緒にせずに必ず分けましょう。 |
2. |
一度に1ピースのみ。何段階も進まない。 |
3. |
低い段階を「完璧」にトレーニングしない。ひとつの段階にとどまりすぎ、犬も確実にその行動をみせるようになり、ご褒美が適切に出されていると、犬が次の段階に移りたがらなくなります。ご褒美が好きなため、その段階でかたまってしまう可能性があります。 |
4. |
強化の率を高く保ちましょう。しかし、毎回の強化からランダムへの切り替えはすばやく行います。 |
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タイミングを完璧に:「クリックした行動が定着する」
(定着したのがクリックした行動、ということです!) |
タイミングの機械的なスキルアップは、犬なしで行いましょう。これはレガシーの生徒に私が出している宿題です。
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床に本を落とす |
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バンという音と同時にクリックできるか。 |
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野球を見る |
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バールがバットにあたる瞬間にクリックできるか。 |
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テニスボールを上に投げる |
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一番高いところでクリックできるか。 |
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テレビの天気予報 |
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レポーターが天気図を指すと同時にクリックできるか。 |
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恐怖ではない尊敬 |
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服従ではない愛 |
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支配ではないコントロール |
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